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サイト開設から2年。ついに日記ページをブログに移行。誰得?な妄想などを書き連ねます。腐女子要素が多分に含まれておりますので、苦手な方はお戻りください。 このブログは一部、公式の情報を元にはしていますが、ほぼ管理人の妄想です。 版権元の企業・会社には一切関係ございません。 ブログ記事の無断転載などはお控え下さい。
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接骨院に通うことになった友人がとある会話を耳にしたそうです。
それを聞いた私は「これはネタにするしかない!」と思った次第です(笑)

「つづき」からお読みください。勲葛です。




※葵さん、葛さん、勲お兄様が仲間設定です。
 いっそ、葵さんと葛さんが生徒で勲お兄様が先生、とかな設定でもいいです。
 (私としては現在製作中のRPG風パロの設定でいきたいのですが・・・)




葵は視界が白に包まれた空間で目を覚ました。

「(あれ・・・あぁ、そうか。俺、熱中症で倒れたんだっけ・・・)」

頭の後ろがひんやりと冷たい。ぼんやりと周囲を見渡すと、そこは医務室のようであった。おそらく、誰かがここまで運んでくれたんだろう。
気分はだいぶよくなったが、幾分頭痛は残っている。思わず顔をしかめてから、サイドボードに置かれたペットボトルに手を伸ばした。
その時、カーテンで仕切られた隣の空間から声が聞こえた。葛と高千穂の声だ。

「まったく・・・。こんなになるまで我慢するなんて、君もなかなか強情だよね」
「――申し訳ありません・・・」
「ま、そこが君の可愛いところでもあるんだけど」
「揶揄わないでください」
「ふふっ・・・。さて、じゃあ横になって」
「はい・・・」

ギシッ、とベッドの軋む音が響く。続いて衣擦れの音。
俺は葛もまた怪我か何かしたのかと心配になって、様子を窺う。

「んっ・・・!」
「あぁ、ごめんね。嫌だった?」
「あ、いえ・・・すいません、大丈夫です」
「じゃあ、感じたら言ってね」
「は、い・・・。あ、感じました」
「そう。じゃあ次はもう少し下ね・・・」
「あっ・・・!」
「感じたね?じゃあ、今度はこっち」
「ん、あっ・・!」

葛の鼻にかかった声が聞こえ、葵は頭の中が沸騰しているかと思うほど、混乱した。
葛は怪我をしたんじゃないのか!?どうして高千穂勲が手当を!?ていうか、いま隣のベッドで行われているのは手当なのか・・・!?

「そのまま少しの間、動かないでね」
「はい・・・」
「変な感じ?」
「はい・・・。なんだか、勝手に動いてしまうから・・・」
「それはまぁ、仕方ないよね。そういう風にしているから」

葵の混乱をよそに、隣のベッドでの手当?は進んでいく。
ギシッ、とまたベッドが鳴り、勲が「もう少し、足開ける?」と言うのが聞こえた。

「じゃあ次。痛くなったら言って。無理はしないで」
「わかりました。・・・いっ、!」
「“痛い”?」
「はい・・・っ」
「我慢してね。ちゃんとほぐしてあげるから」
「だい、じょうぶ・・・ですっ。――んんっ・・・!」
「痛いだろうね。でも、もう少しの辛抱だから、がんばって」
「は、い・・・っ。は、ぁっ・・・!」
「葛ぁぁぁっ!!」

何度も続く葛の苦しげな声で葵の理性がぶち切れた。
布団を投げ出す勢いで起きあがると、ジャッと音を立てて空間を遮っていたカーテンを取っ払う。

「おや、葵くん。目が覚めたのかい?」
「うっ、葵・・・?うるさいぞ。医務室では静かにしろ」
「・・・・・・あれ?」

隣のベッドでは、膝の上辺りまで裾をまくり上げ、ベッドに横になっている葛と、晒された葛の足に湿布を貼ろうとしている高千穂の姿があった。
よくよく見ると、晒された葛の足首は痛々しいほどに腫れていて、触れるだけでも痛そうだった。

「はい、終わり。しばらくは松葉杖を使いなさい。まったく、無茶をするんだから、君は」
「すみません・・・」

葛の足に包帯を巻き終え、高千穂は傍らに広げていた医療箱を片づけ始める。パッドのようなものについた長いコードも巻き取り、壁際の装置からコンセントを抜き取った。確か、パッドを通じて電流を流し、筋肉をほぐす装置だ。何度か経験があるが、意図せず勝手に身体が動く感覚というのは随分と気持ちの悪いものだったと思い出す。

「どうした葵。お前、もう具合はいいのか?」
「え・・・、へ・・・?」

葵はようやく理解する。自分が“高千穂に葛が襲われている”というとんでもない誤解をしていたことに。
理解した途端に自分が恥ずかしくなり、一気に顔が熱くなった。

「葵?まだ顔が赤いぞ。寝ていたほうがいいんじゃないか?」
「そうだね。熱中症で倒れて、それなのにいきなり強い刺激を受けて目を覚ましたから、すぐまた具合が悪くなるよ」

どうやら高千穂は葵が想像していたことを見抜いているらしく、口許から笑みが消えない。
葵は悔しさでいっぱいになった。

「お気遣いありがとうございますっ!お言葉に甘えさせていただきますっっ!!」

自棄になってそう叫ぶと、カーテンを引いて自分の寝ていたベッドにどっかりと横になった。
カーテンの向こうで、葛が高千穂に何か言っているようだが、もう何も耳に入らない。
葵は不貞寝するように目を閉じた。

すると、背後でカーテンの開く気配がして、誰かがベッドの脇に腰掛けた。

「葵、もう寝たのか?」

葛だ。葵はすぐにでも振り返りたい衝動を抑えて、ふてくされたように「なんだよ」と言った。

「なにを怒っているんだ?よくわからないが、取り敢えず水分を取れ。ペットボトルの中身が全然減っていないじゃないか」
「・・・・・・飲ませてくれよ」
「・・・お前は、何を子どものようなことを言っているんだ。自分で起きて、自分で飲め」
「じゃあいらねぇ」
「葵・・・」

うんざりしたような葛の声。それ以上に、葵は自己嫌悪で底辺まで落ち込んでいた。
いい年をして自己管理できずに熱中症で倒れてしまったこと。不埒な妄想をしてただの手当を大いに誤解してしまったこと。それらに後悔して、自分を心配してくれる相棒につっけんどんな態度を取ってしまうこと。自己嫌悪のスパイラルだ。
背後で葛のため息が聞こえる。それからギシッとベッドが鳴って、葛の体重が移動するのがわかった。
愛想を尽かして出て行くのだろう。葵はそう思った。しかし、次の瞬間、葵の目の前に葛の白い手が下りてきた。

「(え・・・?)」

戸惑っている間に肩を引かれ、仰向けにされる。葛の顔が間近に迫ってきて、そして、唇を塞がれた。
顎を引かれて口を開くように促され、それに従うと生ぬるくなった水がカラカラだった口内を潤した。
葛に口移しされた水を飲み干すと、彼は身体を起こして口許をぬぐった。

「あとは自分で飲め」

そう言ってペットボトルを渡される。
葵は上半身を起こすと、ペットボトルではなく、葛の腕を掴んで引き倒した。

「葵っ!?」
「飲む。ちゃんと自分で飲むから。少しの間、こうさせてくれ」

葛を腕の中に抱き込んで、自分の身体に重なった葛の重みを噛みしめる。

「まったく・・・何がしたいんだ、お前は」

呆れたような声で葛が言う。葵は葛の耳元で笑みを含んで答えた。

「ん・・・。やっぱ、誰にも渡したくないな、と思ってさ」
「なんのことだ・・・。まだ熱に浮かされているようだな」
「みたいだな。こんな熱なら、浮かされっぱなしでも全然構わないけど」
「俺はご免だ」
「お前ってやつは・・・」

クックッと葵が笑う。葛もまた葵の肩口に顔を隠して、クスクスと笑った。





なんか予想外に長くなった(滝汗)
え、これって普通にメインに置けたんじゃないの!?

ま、いっか。

ちなみに、友人から聞いたのは「感じた」云々の会話だけです(笑)


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